海辺の空き家で静かに暮らす

和歌山、串本で海・空・音を感じながら田舎暮らし

タングドラムの作り方。プロパンガスボンベで楽器製作。Steel Tongue Drum, propane tank drum, tongue drum, トングドラム, 100均マレット

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タングドラム製作を始めて5ヶ月ほど経ち、ある程度納得のいく音が出るタングドラムを作れるようになってきました。
タングドラムの作り方について詳しく書いたブログがネット上でまだ見当たらないのでこの機会にまとめたいと思います。
製作に関するマニアックな事を長々と書いているので普段ブログを見ている読者さんにとっては面白くないかも。



製作に必要なもの


・グラインダー
切断砥石、研磨砥石が必要です。切断砥石は1mmのものがあった方が良いです。


・ジグソー


・防塵マスク
下のマスクは金属を削る際に発生する粉塵はもちろん、溶接時に発生するヒュームガスにも対応しています。
フィルターの水洗いができるので何度も使えて経済的です。


・溶接機
家庭用のコンセントで動く溶接機です。溶接面、革手袋もついてくるのでお得です。
これの他に1.6mmの低電圧用溶接棒が必要です。


・溶接面用自動遮光面
溶接が開始した時だけ遮光してくれるレンズ。これがあるとないとでは溶接の効率が全然変わってくるので必要です。


・LPガスボンベ
ヤフオクで買ってます。
ガス屋さんに行って期限切れのものをいただけないかお願いしてみましたが駄目でした。
上手いこと期限切れのボンベを手に入れる方法があれば教えて下さい。m(_ _)m


・塗装スプレー

・定規、分度器

・耳栓
金属加工時に出る音が大変うるさいので必要です。


作り方


外径約30cmの8キロボンベを例に説明していきます。
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1. プロテクター・ネックを外す


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自分の場合、この面がタングドラムの底面になります。

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2. 中心を出してタングの下書きをする


8タング作るので8等分の直線を書きます。
今回は他のボンベと音域を合わせる都合上A4~A5で作っています。
番号の順に音が高くなっています。

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下書きの際、紙で先に仮のタングを作ってあげると全体のイメージができて良いです。

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タングの大きさと音程の関係は一例を挙げるとこんな感じです。

横約4.5cm×縦5.8cm=A4
横約4.5cm×縦5.5cm=B4
横約4.5cm×縦5.2cm=C5
横約4.3cm×縦4.9cm=D5
横約4.1cm×縦4.5cm=E5
横約4.3cm×縦4.2cm=F5
横約4.3cm×縦3.9cm=G5
横約4.4cm×縦3.6cm=A5

ただ、ボンベの厚みや製作状況によっても音の高さが変わるのでこの長さ通り切ってもその通りの音は出ません。
あくまで目安程度に考えていた方が良いです。1音ごとにだいたい長さが2~4mmぐらい変わる感じです。


※音域について
直径30~22cmのボンベならだいたい音域はC4~C6です。
ただ、下限・上限の音に近づくにつれ音の響は悪くなります。
E4~E5ぐらいが一番綺麗に音が鳴るように感じます。
直径42cmのボンベだと大体E3~A4という感じでした。


※タングの太さと数について
タングを太くする(タングの付け根を大きくする)とその分、音が大きく・豊かに響くように感じます。逆に細いとおもちゃっぽい音が鳴ります。

タング全体の面積→音程に関係
タングの付け根の長さ→音程、音の大きさ・響きに関係

という感じです。

(例)過去に作ったタングの細いドラム。これは横幅2,5cmで製作しました。響きが小さく、低音のF3も作ったので音が濁り気味です。



こちらは17音ある極端な例、音が濁っています。A♭3~C5が鳴ります。


直径30cm程度のボンベの場合、タングの太さは5cm程度、数は8つぐらいが丁度良いように感じます。
やろうと思えばもっと音は作れるのですが、タングの付け根が隣のタングと近づくほど、ある音を叩くと同時に他の音も鳴ってしまい音が濁ります。
もちろん濁った音が好きな人はそういう趣向で作れば良いとは思いますが、自分は澄んだ音が好きなので8つ以下で抑えています。


3. 下書きに沿ってタングを切り抜く


グラインダーで切り込みを入れてその後ジグソーで細かい作業をします。
ジグソーの歯の太さに合わせるためにグラインダーは1mの歯を使った方が良いように感じました。

音程の細かな調整は最後にするのでこの段階では意図する音より1音高めに合わせておいた方が良いです。
音が高ければいくらでも最後に調整ができるので。



4. 下部のスカートを外す


今度は反対側に取り掛かります。こちらがタングドラムの上面になります。

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5. 同様に中心点を出してタングを下書き


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タングの形が先細りになっているのは面の中心部を出来るだけ広く使いたかったからです。


※上面と下面に同じタングを作る理由。
先程、底面は叩かないのに上面と同じタングを作りました。
なぜ作ったかというと上面のタングを叩いた際、底面のタングが共鳴して音が豊かに響くからです。
共鳴に対応する音はできるだけ近くに持ってきた方が響きます。
なので上面のタングの真下に対応する音のタングを下面に作ります。結果、上面と下面の音の並びは左右対称になります。

共鳴する音なしで上面・側面に音を作った例。タングも細いので音がおもちゃっぽいです。


6. 下書きに沿って切り抜く


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7. 側面部のサビ・塗装を落とす


側面部は切り落とす前に先にサビ・塗装を落とした方が楽です。

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8. 側面部の切り落とす場所を下書き


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丸みを帯びる手前のところから切ります。
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※側面を切り落とす理由
側面を切り落として上面と底面のタングを近づけてあげた方が綺麗に共鳴するからです。また、楽器のサイズが小さくなり、持ち運びが楽になるので切り落としてます。なお、切り落とす事で低音は出にくくなります。

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9. ボンベ裏面のサビを落とし塗装


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10. 表面のサビ・塗装を落とし音の調整


サビや塗装を落とすと全体的に音程が下がります。これが前の段階で音を高めにとった理由です。
溶接後、音程の最終調整をするのでここでは大まかに半音の半分程度高めに調整します。

11. 上下のタングを合わせ側面の溶接


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溶接する際、少しでも円盤が左右にずれると後々溶接が面倒になるのでここはできる限り丁寧・慎重に。
一箇所からそのまま横に溶接すると歪みが出てくるので、まずはそれぞれ離れた3点を点付けしてから溶接に入った方が良いです。

溶接後の様子。これをグラインダーで落とします。すると小さな穴が出てくるので自身が納得するまで再度溶接を繰り返します。
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12. 最終的な音の調整


溶接が終わるといよいよ最終調整。上下の音の微妙なズレを調整していきます。
音を高くしたい場合はタングの先端を削ります。逆に根元を削ると音が低くなり響きが悪く鳴ります。
なので音を下げる場合はタングの切り込みを深くすることで調節します。

13. 塗装


最後に塗装。そして完成!
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14. クッションの貼り付け


硬い地面にそのまま置くと音が響きません。なのでクッションを貼り付けます。
自分は100均の床傷防止クッションを使ってます。
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これを付けるのと付けないのでは音の響きがかなり違います。何気に最後のこの作業が非常に大事です。

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以上、ボンベの製作についてはこれでお終い。直径の大きなボンベほど音が大きく綺麗に響き、低音も出ます。小さいボンベほどタングを作る表面積が少ないので高音のタングドラムを作ることになります。
色々書きましたが、自分もまだ製作から5ヶ月ほどなので所々間違ったことも書いていると思います。

音はこんな感じです。



自分は二つのボンベを使って音域を合わせて演奏を楽しんでいます。





海外の製作動画


上では細かい事を書きましたが大まかな流れは海外の動画が結構あるのでまとめた再生リストを貼っておきます。
自分も始めはこれを見ながら製作し、その後試行錯誤しながら自分好みのタングドラムを作りました。




初めて楽器製作をしてみた感想


6か月位前にふとしたきっかけでrav drumの演奏を見つけタングドラムのことを知りました。
その綺麗な音に魅了され「是非とも欲しい!!!」と思ったのですが、価格は8万ぐらい・・・。その後ガンクドラムなども知ったのですが価格は9万円・・・。個人の手作りの楽器なのだからこれぐらいの値段になるのはしょうがないのかもしれないですが、とても高すぎて手が出せませんでした。

だけど、どうしてもこの楽器が欲しい。
調べてみるとガンクドラムに関しては元はプロパンボンベから作っていたみたいだし、これだったら意外と自分で作れるんじゃないだろうか?よし、やってみよう!という感じで製作へ至りました。

当初は鉄って何で切ったらいいの?溶接って個人でできるもんなん?って感じで完全手探りな状態でしたが5か月ぐらいでここまでできるようになりました。
製作した感想としてはやっぱり高いお金を出して買うより自分で作った方が安上がりだったし音の鳴る仕組みや製作の方法など色々な事を実感として知ることができて良かったです。それにボンベを二つ使って音域を繋げたり自分好みの演奏スタイルで楽器を作れるしね。

楽器製作は敷居が高いと感じる面もあるかもしれませんが、この楽器に関しては極端に言えばただ単に鉄に切り込みを入れただけの単純なものなので製作手順通りにやれば普通に作れると思います。ただ、創作的に自分の望む音の楽器を作りたいという感じで試行錯誤し始めると難しくなるようには思いますが・・・。


おまけ 100均マレットの作り方・マグネットチューニング


マレットを買うと数千円します。なのでタングドラム同様マレットも自作しました。
棒はホームセンターで100円程度売ってます。

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次にマレットの芯となる素材・巻き付ける毛糸を100均で購入します。
クッション(ミニキューブ)・スーパーボール・紙・粘土・丸いプラスチック・・・などなど色々試して見ましたが、自分は柔らかい音色が好きなのでミニキューブが一番良かったです。

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これは紙。紙でも結構いけました。
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個々人が好きな音の出るマレットを作れば良いと思うので素材はなんでも良いと思います。
尚、棒に巻きつけるタイプの方がぐらつかないので作りやすかったです。


以下ミニキューブでのマレットの作り方。
棒を30cm程度の長さに切って

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毛糸を用意。

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ミニキューブを刺す

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毛糸をキューブに巻いていく

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完成!

巻き方はこちらの動画を参考にしています。






・マグネットチューニング



タングの部分に磁石を付けてやると音程が下がります。
磁石はダイソーで。超強力タイプが使い勝手よかったです。
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こっちの普通の磁石だと叩くと磁石が動き、音もビビるのでダメでした。
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