1月中旬の配達

道順に組んで出発。今日は一日海辺の配達。お歳暮、年賀状も終わりようやく荷物も落ち着いてきた。やはりゆとりを持って自分のペースで配達した方が心に余裕ができる。庭先では干物の匂い。何匹ものウツボが干されている。水仙、アロエの特徴的な赤い花が目を惹く。・・・・。青空。綿雲。 人気のない田舎道。配達に出ればあとは一人の世界だ。黙々と江住、見老津の町を走る。・・・・・。ここ一年は毎日田舎町の景色を感じながら...

1月上旬の配達

起床。薄明かり、鳥の鳴き声。布団から出て、家の裏の階段を降りる。防風林のトンネルを抜けて、海へ。初日の出。初詣などはあまり興味がないけど、自分は空が好き。だからこのイベントは外せない。___________郵便局へ。今日はいつもより早い出勤。年賀の道順はすでに組まれている。諸々の準備が済み次第、バイクに乗って即配達。峠道を走る。・・・・・・。数日前職員さんに「どうして朝の郵便が届く前に配達に出るん...

11月下旬の配達

「ピィーーー。ピィーーー。」朝の音、鳥が鳴いている。窓を開ける。ソワソワする。急ぎ足で家の前の海へ。あたり一面に広がる波状高積雲。この景色を生で見た時のドキドキ感、胸の高鳴り。自分はやっぱり空が好きだ。___________郵便局へ。道順を組んで出発。峠道を走る。谷の冷たい空気。だけど服装は真冬の装備。全く寒くない。ツクツクボウシが鳴かなくなり、風が涼しくなって、秋がきたのかな?なんて思っているう...

11月上・中旬の配達

4時半。夢から覚める。虫の鳴き声が少し。潮騒が聴こえる。どこまで歩いても目的地には辿り着けない。そんな夢を見ていた。「ゴーーーーーー・・・・・」「ザザーーーーー・・・・・」夜明け前の暗闇と静寂。他に音がないからこそ、波音が鮮明に聴こえる。・・・・。横になってその音を聴いていると、どこか深い海の中で自分が漂っている。そんな感覚になってくる。磯の岩に水がぶつかる荒々しい音。優しい音ではない。だけど海に...

10月中旬の配達

ついに蝉は鳴かなくなった。彼岸花は散り、稲穂の景色も終わり。柿、桜の葉は散り始め、空き地も枯れ草が増えている。もう夏は完全に終わった・・・。________ポストに郵便物を入れていく。家々の庭ではひっそりと黄色い花が。佐本はキイジョウロウホトトギスで知られている。多くの家の庭の片隅で見ることができ、ここの集落の人に親しまれている花だ。「キイジョウロウはどこに咲いているんでしょうか?」時折、配達途中...

10月上旬の配達

最近、車での配達が多くなった。荷物を積み込み、出発。峠を越えて山間の集落、佐本へ。稲穂、はさがけ、彼岸花。深谷は一番田植えが遅かった所。これで田んぼの景色も見納めだ。彼岸花も徐々に色褪せてきている。・・・・。小包の配達、集荷、局から局へ荷物の引き渡し。佐本を抜けまた別の峠に。雫の滝を抜ける。山が迫り、ゴロゴロとした岩。年中涼しいような所。もののけ姫の舞台みたいだ。山を降り、周参見の町へ。今度は海岸...

9月上旬の配達、日々の演奏59

出発。峠道を走る。朝の谷の冷気。寒い。上着を着る。冬の峠道を思い出す。ミンミンゼミは絶好調。ここではツクツクボウシと同じく夏の終わりのセミになっている。空は澄んでいる。夏のモヤっぽい空気が終わり、空の色・雲の質感が確かに変わった。すべてが鮮やかに見える。冬の終わり、澄んだ空気がモヤっぽくなった。あの時も雲の質感が変わり、新鮮で嬉しかった。繰り返す季節はいつも新鮮だ。___________配達が終わ...

8月下旬の配達

峠道を走る。ミーーーン、ミンミンミンミンミン、ミーーンミーーーン、ミンミンミンミンミン、ミーーンクマゼミの時期は終わり、代わりにミンミンゼミが鳴くようになった。この二つの蝉は鳴き声に共通点があって棲み分けが明確に行なわれるらしい。実際ここでも鳴く時期や時間帯が重ならないようになっている。うまくやるものだなと感心する。森を抜け、山間の集落へ。田は一面黄色。遠くから見るとまるで黄色の花畑。コンバインが...

8月中旬の配達

起床。少し涼しい。モヤっぽかった空は澄み、雲は高くなった。時折、羊雲や筋雲が現れ何処か秋の気配。道順を組み、出発。線路下の小さなトンネルを抜け、丘へと続く細い坂道を登る。平見には民家が並び、その先には海。郵便配達員と地元の人しか知らない景色。海には若い親子。盆踊りのセット。交通量は普段の倍。国道は他県ナンバーばかり。ずっと空き家だったはずの所には当然のように人が住んでいる。お盆の間だけ現れる見ず知...

8月上旬の配達

カブを走らせる。山は深緑。畑には向日葵。青い海・空・入道雲。典型的な田舎の一風景。ここはかつて映画やアニメのロケ地だったんじゃないだろうか。そう思えてくる。日差しが強い。蝉が鳴く。・・・・・・・。配達をしている時は殆んど一人。休みの日も基本的に一人。寂しい生活を送っているなと自分でも感じるが、元来自分は寂しい人間。それは学生の頃から今までずっと感じ続けてきた事。この生活も自身が求めて形になったもの...

7月中旬の配達

道順を組んで出発。制服もすっかり夏仕様の薄着。冬と違って風が体全体を通り抜ける。全身でその場の空気を感じる事ができて何だか嬉しい。ニイニイゼミ鳴く道を走る。山は深い緑。寒かった峠道はいつのまにやら暑くなった。春にウグイスが鳴き、雨が降ってカエルが鳴き、ついに蝉が鳴く。毎日走る道は同じだけど季節は確かに流れている事を感じる。畑の端には向日葵。庭先で風鈴が「リーー・・・・」と鳴る。介護の仕事をしている...

ニイニイゼミが鳴き始める

一昨日、郵便物が局に大量に届いた。この荷物はサインが必要なので時間がかかる。「という訳なので、君は昼、郵便局には帰ってこないで山でお弁当を食べてそのまま配達を続けて。」と言われる。一日山の中で配達・・・。楽しみ。普段は見ない大量の荷物。絶対に紛失してはいけない荷物なので数を確実に数えて持ち出す。荷物を積んで、弁当積んで、出発に関わる登録して・・・。諸々、準備。するのだけども何だかこの時やけにそわそ...

6月下旬の配達

昨夜から暴風雨が続いている。道順を組んで出発。高速道路の入り口には警備員。高速はどうやら通行止めみたいだ。峠道を走る。道路脇の至る所で滝ができている。道路が水浸しになっていて危ない。峠を抜けて川に出る。茶色に濁りきった水。大きな木がどんどん流されている。あの家はもう少しで浸かりそうだ。川沿いの畑は一部川と同化している。凄いパワー、迫力。いつも見ているあの川が一日でこうなるなんて。こんな簡単にここま...

6月上・中旬の配達

家を出て局へ。道中に鹿が。赤い。開いたままの目。タダの物体になってしまっている。道順を組んで出発。屋内から一転、空・海・山が広がる。道には梅が転がっている。川沿いにポツポツと車が。「おとりアユ販売」の旗が風で揺らぐ。カブを降りて郵便物をポストへ。ウグイス、ホトトギスが鳴いている。遠くからはカジカガエル。まるで鳥のような澄んだ鳴き声。山は季節の移り変わりを感じさせるものが多い。目からにしろ耳からにし...

5月下旬の配達

出発。目の前に広がる山。後方には海。局を出るこの瞬間が好き。峠道を走る。始めの集落へ。山に囲まれ孤立した場所。空き家が多く、残っているのは数軒。いつか集落自体がなくなりそう。道にはカワトンボが佇んでいる。茶色の羽、蝶のようにフラフラと飛ぶ。次の集落へ。田んぼが広がる。稲が日ごとに成長しているのを感じる。冬は茶色だった景色が今は黄緑。空の青と緑のコントラストが冴える。すべてが鮮やかだ。小包を送り先様...